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2007年2月26日 (月)

格闘餓浪伝アーカイブス1 ゲート1

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今回掲載する原稿は、2005年に私が某サイトで発表したものです。
転載する事となった現在も『クラッシャー・バンバン・ビガロ』、『ザ・グラジエーター』と
40歳台半ばで他界するレスラーが後をたたない状況であり、今回『アーカイブ』という形をとり
再び警鐘を鳴らす意味も含め、掲載する事としました。かなり長い原稿ですので、数回に分けて掲載します。


『格闘家、その幻想の果て』

 2005年7月11日午前10時30分、プロレスラーの橋本真也氏が亡くなった。死因は脳内の『脳幹』という中枢部からの出血死ということである。
みなさんはこの事実をどう受け止めただろうか。
『プロレスラーは常日頃からマットに投げ付けられているからだろう』
『どうせ不摂生をし続けていたのだろう』など様々な見解をお持ちだろうと
思う。正直、そのどちらも原因に含まれる事は否定できないだろう。
確かに今回、橋本選手の直接的な死因は、脳出血ではあった。
しかし、その1か月前には『不整脈』で入院し、生前、高血圧に悩まされ、『心筋梗塞』の疑いもあったという。

 力道山以降、プロレスラーはそのイメージにおいてマスコミに守られつつも、強さに関しては『格闘技の頂点』であり、私生活においては『豪傑』というイメージを貫いてきた。しかし、『人間』はあくまで『人間』なのである。
人体が耐えうる以上の衝撃を身体に受ければ、怪我もするし、場合によっては『死』に至る事もあるのである。また、必要以上の『過食』をすれば、身体は『ギブアップ』してしまうのは、当然なのだ。

 往々にして、『レスラー及び格闘家』の晩年は不幸な事が多く、いくつか挙げてみると、全盛期は筋肉質で、大の肉好きであったというSNプロレスの『K.K選手』などもそのひとりで、選手としての末期に『肝臓』を壊したという。同じく、屈強な肉体で世を馳せた『M.S選手』も同様に肝臓病に悩まされているらしい。
レスラーのような筋肉質の肉体を造りあげるには、一般人のような食生活では
とてもではないが、栄養素が足りない。筋肉づくりの為には『タンパク質』を中心にエネルギー源になる『炭水化物』などを大量に摂取しなければならない。特にレスラーの場合、ボディビル選手と違い身体づくりと平行して『スパーリング及び試合』をこなさなければならない為に、より多くのカロリーを必要とする。
その中でも、筋肉の元となる『タンパク質』は非常に重要で、前述したレスラー達も大量の『肉類』『鶏卵』『魚介類』などを摂取していたのだろう。
彼等の全盛期には『プロテイン』などの栄養補助食品もほとんどなく、肉類を中心に身体づくりをしていたという事は容易に想像できる。
また力道山が、角界出身者であったためか『プロレスの道場』は、角界をモデルケースとしている場合が多く、食事に関しても同様で、1日2食、ドカ食い、オーバーカロリーという事がほとんどであったと思う。
筋肉の元となるタンパク質を分解、吸収するためには、肝臓の働きが必要であるが、前述したレスラーの内臓は、長年にのぼる度を超えた栄養の過剰摂取により、ギブアップしてしまったのだろう。引退後、M.S選手も、別人のように痩せ細っていた。晩年の『J.T選手』も同様であった。昨今話題の角界の『T親方』の激ヤセも同様の事だろう。特に彼の場合、現役時代、顔に湿疹が多く出ていたのが思い出される。あの頃が内臓の限界だったのでないだろうか。
 肉類に多く含まれる『たんぱく質』は、脂肪と違い体内に蓄積することが出来ない栄養素であり、毎日の食事でこまめに摂取し続けなければならない。(1回の食事で吸収される量としては40グラム程度とされているのが一般論である。)レスラー達も『大きな身体=多くのたんぱく質』という情報のもとに過剰に摂取し続けたわけである。その結果が余分な栄養素として、内臓に蓄積した『内臓脂肪』という形として残ったのである。当然ながら『たんぱく質』の吸収を助ける肝臓にも同様に脂肪が付き、それが、原因となり、脂肪肝になり、やがては『肝硬変』や『肝臓がん』を引き起こす事にもなるのだ。また、加齢による基礎代謝の低下も結果として、『たんぱく質及び栄養素』の未消化、未吸収を引き起こし、より内臓脂肪を増やす結果に拍車をかけたのではないだろうか。
 また、栄養の過剰摂取は大腸などにも同様に負担がかかる事にもなる。御存じと思うが、日本人は元々、欧米人のような肉食を中心にした狩猟民族ではなく、穀物を中心に食してきた『農耕民族』である。植物に多く含まれる繊維質を消化するために欧米人に比較して『腸』自体が長く出来ている。長さが長い事はそのまま、『悪性腫瘍』が出来やすい場所が長いことに置き換えられるのである。(次回へ続く)


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2007年2月 6日 (火)

KIDの五輪挑戦 〜プロとアマとは〜

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先日、TBS系列で放送されたドキュメンタリー番組『情熱大陸』を観た。
内容は、元フリースタイルのアマチュアレスラーで、現在は総合格闘家としてHEROSで活躍する
山本“KID”徳郁選手のアマレス再挑戦の模様を追ったものだった。

昨年、突然プロ格闘技休業宣言をし、北京五輪を目指し彼は、アマチュアの
世界に戻っていった。
数カ月間にのぼる合宿生活を終え、今回挑んだのが五輪の選考会も兼ねた
天王杯だったわけである。

結果は御存じのように“プロの洗礼”ならぬ“アマの洗礼”を
強烈に浴びる事となった。
番組内でも、触れていたがプロ格闘技において、アマレスをバックボーンとして
活かし闘う事とアマチュアレスリングとでは、技術体系そのもの
が違うのだろう。彼自身もプロの打撃ありのレスリングフォームと
フリースタイルレスリングとのフォームの差を縮める事に苦労していたようだった。

昨年末に行われた『ダイナマイト!』で、自身の持つテーマをプロのリングで
実践すべく、彼は五輪の金メダリストとの対戦を受諾した。
試合を観た感想はといえば、
『腰が高いのではないか』『中途半端なスタンス』というのが正直な感想であった。

話しが少し反れたが、彼は2回戦で、大相撲で言うところの
『かばい手』で右腕を脱臼してしまう。
この『かばい手』プロのリングでは、あまり見られないが
柔道家の吉田秀彦選手も、五輪の本戦で一度、やっている。
柔道もアマレスも一度投げられたら、実質試合は終わってしまうようなものである。
そのプレッシャーから、本来『受け身のプロ』といわれる彼らも
おもわず、この『かばい手』を取ってしまうのだろう。

今回の2回戦、開始わずか数十秒で試合終了となってしまったが、
仮にあのまま続けていたとしても、KID勝利の絵は見えてこなかったように思う。
『アマチュア競技は、そんな甘い世界ではない。』
こんな声が聞こえてきそうだ。

過去にもアマレス出身のレスラー、格闘家がKID同様に、アマチュア競技への
回帰を目指した事もあったが、皆惨敗であった。

プロ競技よりも、遥かに底辺の広い世界、、、、この事実が今回の
結果でより明確化したように思う。プロ格闘家は、笑顔で
スパーリングする事も多いが、アマチュア競技の世界にそれは
存在しない。この辺りにも、アマチュアの厳しさが出ているように思える。

結果は残念ではあったが、彼の挑戦はアマチュア競技の注目度を
向上させ、またなによりも彼自身の“アマチュア”らしい礼儀正しさ、
家族を愛する優しい一面が見えた事がなによりも嬉しかった。

完治するまで、3〜4ヵ月かかるとの事であったが、最終選考は
6月までリミットがある。
父の無念をはらす為、、、最後まで挑戦し続けてほしいものである。


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